Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものれい
文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
岡崎 雪声
Lesen Sie 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (こどものれい) von 岡崎 雪声 (おかざきせっせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.090 Zeichen · 7 Bildschirme
やがて師匠の家に曲る横町も通過ぎて、花園橋の上に茫然と立っていたのだ。すると山内の方から、二人曳で威勢よく駈けて来た車が、何れ注意をしたものだろうが、私はそれが耳にも入らず中央に、ぽつりと立っていたので、「危険ない」と車夫が叫んだ拍子にどんと橋詰の砂利道の上に、私を突倒して行ってしまった。ハッと思った途端に、私はこの時初めて、我れと我心に帰って、気が付いてみると、そんな砂利の上に、横ざまに倒されている。乱暴な事をする奴だと、その車の行った方を見送りながら、四隣を見ると、自分は何時しか、こんな花園橋の処まで来ているので、おかしいとは思ったが、私はその時にもまだよくは気が付かない。幸怪我もなかったので早速投出された下駄を履いて、師匠の家の前に来ると、雨戸が少しばかり開いていて、店ではまだ燈が点いている。貞吉という小僧が、こくりこくりと居寐りをしていたので、急いで内へ飛込んで、只今と奥へ挨拶をすると主人は「大分今夜は遅かったね」と云うから、不思議と時計を見ると成程最早十二時二十分許過ぎていたのだ。奇妙な事もあればあるものだと、その晩はそれなりに寐てしまった。