Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
それゆえ女が玄関に出て夜おそく迎えにでると、男のかおは後悔と羞恥とのいろを瞬間にたたえたが、まもなく気の強くなったような顔をして自分の室へはいったきり出てこないのである。
女は日に日に瘠せるばかりで、どういうときにも音というものを立てなかった。すうと襖をあけたり、猫のような柔らかい足つきで畳の上を辷ったり、深く睡りこんでいるように押入と障子との隅にぺたんこに坐り込んで、いつまでも黙っていたり、そうかと思うと何か洗濯ものをしながら、盥のそばにかじりついていたりした。それは水のように音のない、どこか足のない生きもののようにも見られた。かの女が男の仕事場の障子をあけて、
「…………」と何かの用事をいうとき、男はおともなく開いた障子と同じいいろをした女を見ると、わけもなくぎっくりした。障子に半分以上を隠した顔が半分に切った鶏卵のように、つやを失って見えたからである。おどおどしながら、はじめ半分ばかり見せた顔をだんだんに障子のそとに隠してしまうのであった。
「どうしてお前はおれに恐がるんだ。そんなにおどおどしてさ。」
男が鑿で荒彫りを一と刃ざっくりと立てながら、ひょいと顔をあげて言うと、女はひくい声で、