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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうして怖いのだ。」

「どうしても恐かった。でも目ばかりくりくりさせているんですもの、きょうはどうかしていらっしゃいますわ。」

「いつもと異っているかな。」

「ほんとに変よ。手に何をもっていらっしゃるの。」

「何って……何をさ……。」

気がつくとまだ男は香爐の蓋をしっかりと握っていた。握っていた手が殆ど無感覚になるほど、永くつかんでいた。

「いやなひと。まだあんな物をつかんでいるんだもの。」

女は言って又引き奪ろうとしたが、男はなかなか離さなかった。

「すっかり忘れていたのだ。渡してたまるものか。」

男はそう言って頑固に堅く握っていた。むずむずと這い出るような二疋の生きものの絵を、あたまに柔らかく痒いような心持でえがきながら。

「じゃ、いつまででも持っていらっしゃい。は、は。」

女は仕方なしにこう言って、また酒をつぎ出した。男はいつか女に尋ねて見ようと思っていて、つい言い出せなかった喉のところの傷のことをたずねた。それは変に栗いろの二分ほどの、長さの気味の悪い傷であった。いろいろな想像を加えれば加えられる傷でもあった。

「何んでもないのよ。おできを切ったあとが残ったの。