Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
それに不思議な胸騒ぎが先刻から間断なくして、主婦に見られるのも工合のわるい程、総身がふるえて仕方がなかった。廊下で主婦はふと皮肉めいた顔付で、松岡を見戍りながら言った。
「奥さまはよくお寝みになれますね。」
「奥さまって?」松岡は驚いて蒼くなった。
「夕方、いらしったじゃありませんか? あの方は奥さまなんでしょう、美しい優しい方じゃありませんか?」
「あれは帰った筈です、あれから間もなく用事ができましてね。」
「いいえ、お帰りになりはしませんよ、階下にはちゃんとお召しものがあるんですもの。」
松岡は頭がぐらぐらとして、後脳が斬り取られたように軽い感覚の無い眩惑を感じた。
「それは本統ですか。」
松岡は主婦の顔を睨むような眼附で、わなわなと顫えた。
「でも、あれから一度も階下へお下りにならないんですもの。わたくしお食事の時も気がついていたんですけれど、却って何んだと思いましてね。」
「実は……」松岡は喉の掠れた声で言った。
「あれから間もなく帰ったんですよ、すこし用事があったので、――履きものがあるというのは、本統のことですか。」
「じゃ、階下へ行ってごらんなさいまし。