Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
しかし不快な気もちではなかった。何か静かすぎるときに感じるしんとした寂しい気もちによく似ていた。
「そのときお母さまの肩がすこし尖っていたような気がした。」
姉はわらって肩の手をつよくしばりつけて言った。
「お前、まるで大人のような口をきいているのね。お前のようなふうになると、考えることがそんなに大人じみてくるのか知ら? 自分でもそう思わない?――」
「べつにそんな気がしないよ、ただ、お母さまがあまり可哀そうな気がしただけなんだよ。」
「ではなぜ逢わないの?――」
姉は鋭くそう言ったものの、弟がすぐ鬱ぎ込んでしまったのでこんなに言わなければよかったと考えた。弟だって母にあいたいのであろう、それ故に門の前を通ったりしたのであろう、姉はそう考えると姉さんがすこし言いすぎたのね、気にかけないでくれと優しく言い和めた。弟はしずかに嬉しげにしくしく泣き出した。そして毎日のようにおうちの前を通るのだが、ときとすると家の中を覗き込んで見ることがあると、弟は低い声で言った。
「このごろ晩は行燈を玄関にともしていらしゃるのね、通りからそれがよく見えるの。」
「ええ、電燈がないものだから、それに行燈というものは妙にさびしい心もちになるものね。