Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
ただ、ふいに此処にいるという事はうそではなかった。そのさきを覚えていないことも、ありそうな事に考えられた。あるいは夕がた電燈が点いてくるように何も彼も一時に考えがついてくるのかも知れないと思われた。
「それではお母さまの顔をよくおぼえてお出だね、やはり忘れてしまわなければならないのに、――」
「きゅうに思い出すんですよ、へいぜいはやはり忘れているのかも知れない、ただ、ぽかっと思い出すの。」
「じゃお家のひとはみんな覚えておいでだろうね。」
「ええ、一しょに思い出してくるの、順々にね。」
お俊は今さらのように一つ一つ注意深くむすこを見つめたが、何一つむすこでないものはなかった。唯、全体が丈夫すぎるような硬いかんじがした。敲いてみたら何か音がしそうに思われ、そしてその眼つきのきれいさも人並外れた澄み方をしていた。「これからお母さまのそばにずっといるんでしょうね。お母さまはそんな時を永い間待っていたんだし、お前もそれは知っているんでしょうね、だからお母さま一人を置いてどこへも行きはしないでしょうね、お前のうちは此処なんだし、別に帰って行処ってないわけなんですから何時までもいるんでしょうね。