Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

きよ子は母親を見て、自分が又佇っているのに赧くなったが、

「お母さま、あの子は眼がつぶれているんです。」

「目がつぶれている?――どうしてなんです。」

「わたしあの子を知っているの、いつか電車の中でハモニカを吹いていたんです。ほら、よく見ると黒い目金をかけているでしょう、だから初め目が見えないと思っていなかったので、突然、ハモニカを吹き出したのでわたし吃驚りしてしまったんです。」

お俊はそう言えばどうやら目金をかけていると思った。眼のところが黒ずんで悲しげに見えた。きよ子はあの子が電車に乗るとすぐにハモニカを吹くのが癖だと言った。お俊にはそれがどういう意味か分らなかったが、その子供が一人、さびしくとぼとぼと歩いてゆくのが眼に残った。

「それにこの間向う岸であの子が一人で、鮒を釣っていたの。よく似た子だと思うとあの子は目が見えるような顔をして、弟さんと一しょにいたの。」

「妙な子供ね。」

「あれで糸がぴりぴりすると、きっと分るんでしょう、ほら、足で石を蹴りながら行くでしょう、あんなことばかりしている子なんです。」

お俊はまだ一度もその子供を町で見たことはなかったが、歩きぶりが目の見えない人のように考え考えあるいているところがあった。