Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
」
姉はそういうと持前な上手な口調で、だんだん話しつづけるのです。どういうものか、私は私の姉の話をきいていると、話してくれることがすっかり目の前にはっきり浮んできて、まるで本統の実景を見ているような気がするのです。それほど話上手な姉のことゆえ、手で真似をして見せたり、美しい眉をしかめたり、または、わざとその大きい黒い瞳をいっぱい開いたりするのです。
「その石がね、池のまんなかにあると言ったでしょう、だからその石の上へ乗るときは柴の浮橋を渡ってゆくんですと――ほらお池のふちなどによく水草が生えているだろう、ああいう柴草がそこのお池の岸に、いっぱいに水の上まで這って繁っていて、ひとりでに浮橋になっているんだそうですよ。それが十年も二十年も経っているので、ほとんど人間がこさえたより最っとがっしりしているんで、踏んだって蹴ったって大丈夫なんですって。」
姉はそこで話をきると、跼んで私をも前に座らせ青い名なし草を抜きながら、それを手でむしっては話しつづけました。
「けれどもその浮橋の上に乗ると、池水がじくじく蹠に沁みてそりゃ冷たいんですて。だからその浮橋の下は深い池だということがわかるでしょう。