Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
父親は、ときどきその蛇を掌のひらの上に乗せ、じっと日南の温かいところで、何となく、寂しくその円い輪になった蛇をながめておることなぞありました。もちろん、蛇は何んにもしません、蛇もこいしげに父親の掌の上で、その可哀らしい頭を持ち上げ、父親の顔をしげしげ眺め込んでいたりしていました。」
姉はそう言い終えると、私はきゅうに訊ねて見ました。
「では娘さんはどうしたのだろう、どこへ行ったのだろう。」
「それはね。」
姉は言葉を切ってから、
「ほらあのお山へ行ったときから、きっと蛇につかれていたんですよ。それゆえ、ずっとさきに死んでいたのかも知れない――だから今でもあのお山には、そのお蝶さんのお墓が建っているそうだよ、その池のまわりにね。」
私は、きゅうに、医王山の方をながめました。今日はくっきりした紫色に晴れ上っていました。姉も同じいように、山の方をながめました。私は不思議な話が頭のなかに生きているため、その医王山が一つの生きもののようになって見えました。