Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme
ちょうど茶をのんでいたのだが、私は機械的に庭へ飛び出した。そこに石燈籠があったので、台笠が落ちはしないかと仄白い石を見詰めていた。
「あ、恐かった。」
そういう妻は、ちゃんと赤児を抱き、赤児は、くろぐろした瞳をくらやみのなかにツヤ消しをしたその光をふくみ浮していた。私はそのとき赤児よりも自分がさきに飛び出したことに、自分自身を不愉快に感じた。
「思わず知らず抱いて出たんですよ。何も考える間もないんですもの。」
妻は、しずまった空に樹の尖端がまた震えているのを見ながらそう云って、私が一人で飛び出したことを、べつに何とも言わなかった。私は赤児の瞳を見た。そしてやはり私自身をイヤな感じをもって考えた。
「いやな気もちだ。」
「どうして?」
「お前よりさきにあいつを抱いて出なかったことが、イヤな気もちだというのだ。お前はなぜおれに抱いて下さいッて頼まなんだ。」
「そんな間なんてあるものですか。母親のそれが役目なんです。」
「それではお前だけの子か。」
私は負けたのを知りながら、どうも子供は生長するまで、母親のものらしく思えた。父親はそれを監視しているだけのものか。そうも考えられた。