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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.454 Zeichen · 357 Bildschirme

Aozora Bunko

月の十五日には村の家々の軒に立たれ誦経されて行かれますが、それとても朝早く日の出ぬ山道の置露に、おん足がしっとりと膝のあたりまで濡れて居られますが、村里の道に朝日のさすころは最うお引き上げになるのです。村の人々は十五日の前の晩に色々のお斎糧を集めては、そのおかえりの時に侑めるのでございますけれど、それとても、ほんのお携ちになれるだけしかお提げになりません。集ったものも空しくその半分は町の端れの辻堂にお棄置きになるのでございます。阿闍利さまがこの村をお廻りなされたあとは、村の中も何となく穏やかで人々は機嫌がよく、子供らも泣かずに静かでございます。それ故、人々は阿闍利さまの清いお心が村に行きわたるような思いで、阿闍利さまをおろそかにするものは一人もございません。それに野良犬のたぐいまで何時の間にか峯の御坊へあつまり、わずかな阿闍利さまのお斎糧にありついて生きていると言われている程でございます。

阿闍利さまはもう五十を出ていらっしゃいますが、見たところしっかりした体躯つきで、眉の上に大きい黒子を持っておられますが、凡夫のわたくしどもはその大きい黒子が何ともいえぬほど、おん優しいお心の程をあらわしているようで、見ただけでも笑ってお話できるような気がいたすのでございます。