Japanische Klassiker mit Furigana
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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
Lesen Sie 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.559 Zeichen · 37 Bildschirme
であったから、当てられると私は苦もなく読んで除ける。『日本外史』などは既に郷里で一とおり読んで来ているから、ほかの生徒が難渋しているのを見るとむしろおかしいくらいであった。しかるに私が『日本外史』を読むと皆で一度に笑う。先生は磯部武者五郎という先生であったがお腹をかかえて笑う。私は何のために笑われるかちっとも分からぬが、これは私の素読は抑揚頓挫ないモノトーンなものに加うるに余り早過ぎて分からぬというためであった。爾来四十年いくら東京弁になろうとしても東京弁になり得ず、鼻にかかるずうずう弁で私の生は終わることになる。
私は東京に来て蕎麦の種物をはじめて食った。ある日母は私を蕎麦屋に連れて行って、玉子とじという蕎麦を食べさせた。私は仙台の旅舎で最中という菓子を食べて感動したごとく、世の中にこんな旨いものがあるだろうかと思ったが、程経て、てんぷら、おやこ、ごもく、おかめなどという種蕎麦のあることを知って、誠に驚かざることを得なかった。
それから佐竹の通りには馬肉屋が数軒あったが、私はそういう処に入ることを知らなかった。ただ市村座の向側に小さい馬肉の煮込を食わせるところがあり、その煮方には一種の骨があって余所では味えない味を出していた。