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Japanische Klassiker mit Furigana

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みすじまちかいわい

斎藤茂吉随筆集

斎藤 茂吉

Lesen Sie 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.559 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

などということが沁み込んでいるのだから、今どきの少年の心理などよりはまだまだ刺戟も少く万事が単純素朴であったのである。それでも目ざめかかったリビドウのゆらぎは生涯ついて廻るものと見えて、老境に入った今でも引きつけられる対象としての異性はそのころのリビドウの連鎖のような気がしてならないのである。そのころ新堀を隔てた栄久町の小学校に通う一人の少女があった。間もなく卒業したと見えて姿を見せなくなったが、私は後年年不惑を過ぎミュンヘンの客舎でふとその少女の面影を偲んだことがある。あるいは目前に私に対している少女にその再来なるものがいるかも知れない。

新堀といえば、新堀にはそのころ舟が幾艘も来て舫っていることがあった。幸田露伴翁の「水の東京」に、「浅草文庫の旧跡の下にはまた西に入るの小渠あり、須賀町地先を経、一屈折して蔵前通りを過ぎ、二岐となる。其の北に入るものは所謂、新堀にして、栄久町三筋町等に沿ひ、菊屋橋・合羽橋等の下に至る。此一条の水路は甚だ狭隘にして且つ甚だ不潔なれども、不潔物其他の運搬には重要なる位置を占むること、其の不快を極むるところの一路なるをも忌み厭ふに暇あらずして渠身不相応なる大船の数々出入するに徴して知るべし。