Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
馬鹿だから、だまされるのよ。馬鹿だから、邪魔にされるのよ。いないほうがいいのでしょう? 貧乏って、どんな事? お金って、なんの事? 私には、わからないわ。愛情を、お母さまの愛情を、それだけを私は信じて生きて来たのです」
とまた、ばかな、あらぬ事を口走った。
お母さまは、ふっとお顔をそむけた。泣いておられるのだ。私は、ごめんなさい、と言い、お母さまに抱きつきたいと思ったが、畑仕事で手がよごれているのが、かすかに気になり、へんに白々しくなって、
「私さえ、いなかったらいいのでしょう? 出て行きます。私には、行くところがあるの」
と言い捨て、そのまま小走りに走って、お風呂場に行き、泣きじゃくりながら、顔と手足を洗い、それからお部屋へ行って、洋服に着換えているうちに、またわっと大きい声が出て泣き崩れ、思いのたけもっともっと泣いてみたくなって二階の洋間に駈け上り、ベッドにからだを投げて、毛布を頭からかぶり、痩せるほどひどく泣いて、そのうちに気が遠くなるみたいになって、だんだん、或るひとが恋いしくて、恋いしくて、お顔を見て、お声を聞きたくてたまらなくなり、両足の裏に熱いお灸を据え、じっとこらえているような、特殊な気持になって行った。