Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
「かず子がっかり。だって、お母さまはいつだったか、かず子は頸すじが白くて綺麗だから、なるべく頸すじを隠さないように、っておっしゃったじゃないの」
「そんな事だけは、覚えているのね」
「少しでもほめられた事は、一生わすれません。覚えていたほうが、たのしいもの」
「こないだ、あの方からも、何かとほめられたのでしょう」
「そうよ。それで、べったりになっちゃったの。私と一緒にいると霊感が、ああ、たまらない。私、芸術家はきらいじゃないんですけど、あんな、人格者みたいに、もったいぶってるひとは、とても、ダメなの」
「直治の師匠さんは、どんなひとなの?」
私は、ひやりとしました。
「よくわからないけど、どうせ直治の師匠さんですもの、札つきの不良らしいわ」
「札つき?」
と、お母さまは、楽しそうな眼つきをなさって呟き、
「面白い言葉ね。札つきなら、かえって安全でいいじゃないの。鈴を首にさげている子猫みたいで可愛らしいくらい。札のついていない不良が、こわいんです」
「そうかしら」
うれしくて、うれしくて、すうっとからだが煙になって空に吸われて行くような気持でした。おわかりになります? なぜ、私が、うれしかったか。