Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme

Aozora Bunko

「前田はなかなか食わせ者ですぞ。あなた様のように懸引なしの肚の底まで初めから見せていては、到底、大事は遂げ難いばかりです。ここはもすこし、抜け目を見せる必要がありましょう」

「平左。何かうまい謀略があるか」

「ないこともございませぬ。しかし、殿のように、色に出して、息まいておられては、策を施す余地もありません」

「どうすればよいのじゃ」

「まず、於犬於犬というお口癖をおやめなさい」

「前田どのと呼ぶか」

「そして、努めて、弱まることです」

「弱まるとは」

「強がらぬことで」

「造作もない。抜けておれとは、そのことか」

「されば、何かにつけ、前田どのの意を迎え、あの御方を通じて、大坂表へも、よしなに達しおかれたいと、事実の上にも、示さねば、かれも心をゆるしますまい」

「では、成政は、ふた股者になる」

「そうです。努めて、ふた股者と、さげすまれたがよろしいでしょう」

謀臣は、かれに、いろいろ策を献じた。

成政のいいところは、信じる者の言をきいた。かれもそこらは凡庸ではない。

或る日また、佐々平左衛門が、ささやいた。

「殿。……思いきって、御当家の姫ぎみへ、前田どのの次男をお迎えになってはいかがです」