Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
「いやお寒いことであったろう。越路の山や大雪をわけて、真冬を遠くおいであるなど、ひと通りなことではおわさぬ。山国衆は、総じて、酒量も人一倍とうけたまわる。さあ、おくつろいで」
と、打ち解けていう。
だが成政は、いつもの剛骨な風を、くずさなかった。かかる馳走になりに来たのではない――とするような態度すら見せて、
「時に……」
と、杯を下におき、接待役の近衆小姓たちを見まわして――
「酒は、酒豪といわるるほど好きでござるが、いただく前に、ちと御内談な申したいが」
と、人払いを求めた。
そして、家康とただ二人きりになると、成政は、ひと膝すすめて、さきに書面でも申し上げておいたが、小牧の戦況は如何、また今後の方略はどう進めてゆく計画か。しかと、御意中をきいておきたい――と改まった。
「…………」
家康は、微酔して、まっ赤になった顔を、黙然と垂れて、かれのいうがままを、いわせていた。
成政は、その精力的な体を、両肱に誇張して、頭の粗雑を舌で補ってゆくような雄弁で、日頃の抱懐を、呶々と、云いまくした。
「ひそかに、拙者は、北越の謙信をもって任じ、徳川どのは、まさに当代の信玄にも比すべき人物と信じておるんじゃ。