Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
しているが――その好色なる彼をしていわせても、ほんとの、心の底を、男性の本音としていわせたら、きっと、こう自白するにちがいない。
(それは、美しいのが、一番好きにきまっておるさ。その美しさにも、種々だが、美貌では、松の丸。心ばえと、雪国の女の肌というきれいさでは、加賀の局。――上臈風な知性美と気品の高さでは、三条の局であろうか。……といえば、笑うであろうが、そもそも自分は下賤の生れで、青少年のむかしより、深窓の花には、ひとつの憧憬をもっていたものじゃ。徳川どのは、下淫を好む質と聞くが、前に申したようなせいか、わしは上淫を好むほうだ。……茶々を愛するのも、その意味といえよう)
――けれど、これだけではまだ、秀吉の本音としては、皮相である。ここまでのことをいってしまえば、かれは必ず、次のことばを、そのあとに云い足したいとするであろう。
(だが。わしの心のうちでは、肉愛の対象と、情愛の対象と、同じ女性でも、ふたつにけじめをつけておる。前に申した女たちは、その妍なる美なる楚々なること、各、趣はちがっても、すべてみな一様に肉愛の花々だ。この秀吉は、浮気な蝶々。