Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
忍の人
古姓をつがなければならないというのはおかしい。新たな時代に、新たな使命をもつ、新たなる人間が現われた以上は、新たな姓を賜わりたいものである。――というのが、秀吉の、奏請の理由であった。
何につけても、故典、格式、旧例をたてにとって、ひと理論、ひねくらなければ得心しない公卿たちも、この四姓打破論には、何の異議をいう余地もなかった。
姓氏ばかりでなく、故実、旧制はみな、公卿たちの、観念だけにあって、秀吉の眼には、ひとつも、絶対的には見えなかった。その点で、彼も、すべての新時代の具現者とひとしく、自己の創意と建設のみが、つねに自己を励ます興味だった。
忍の人
もし、秀吉の座右に暦をそなえて、その月々に、彼がここ一年に仕遂げて来た事業項目を表にしてみたら、顧みて、秀吉自身すらも、
(一年足らずに、よくもこう幾多の難が、片づいて来たものではある。一体、これは何の力か?)
を怪しまないではいられなかったであろう。
ひと頃は、小牧の凝滞を見て、天下の耳目は、あわや図に乗りすぎた秀吉が、ここで大つまずきをやるのではないかと危ぶんでいたが、それも、彼の奇想天外の策に出た信雄との単独講和を一転機として――さしもの家康をしてまったく茫然と策なき孤立に追いこんでしまい――以後、その徳川家をしり目に、徳川系の与国たる紀州、熊野を攻略