Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

そして火口のまえに、ひとりの男が火をのぞきながら屈みこんでいた。

彼の怪訝る容子を見て、藤吉郎はわらいながら云った。

「彦右衛門、あの者を、知っているか」

「見かけない御小人。いつお抱えになられましたか」

「先ごろ帰城の途中、今浜のあたりで拾ってきた者だ。――多分、そちも知っているはずだが」

「はて。面を見たらどうかぞんじませぬが、ここからでは」

「思い出せぬか。わしの尾張中村にも、そちの郷土蜂須賀村にもちかい新川村の者、茶わん屋捨次郎の息子福太郎というのを」

「あれが、茶わん屋のせがれですか。新川の茶わん屋といえば、かなりな豪家でございましたが」

「主の歿後、家屋も廃れ、畑やしきも、みな失くしてしもうたとかいいおる」

「では、落魄れ果てて、今浜のあたりで、何か貧しい生業でもしておりましたか」

「人夫の群れにまじって、馴れぬ業をしておったをふと見かけて、旧縁を思い、供に加えて連れもどったが、もともと虚弱な商家の息子、この城内においてみても、さて何をやらせたらよいか、思案もないでな」

「なるほど」

「当人に、何がそちの能かと、才能をきけば、茶わんを焼くことなら好きだという。