Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
「――これまでだ」
「死ぬのだ」
そこに一致した。
悲壮である、長政の決意はそのまま家臣に映じ、長政の施した士心振起の策は、たしかに奏効した。
けれど、彼は凡将ではなかったが、傑出した将器でもなかった。なぜならば長政は、それほどな将士に、死を歓ばせることを知らなかった。
兵法ノ極ハ、兵ヲシテ、歓ンデ死ナシムルニアリ
孫子のいっている用兵の極致にまで到っていない恨みがある。
彼の将士も、譜代足軽のべつを問わず、死ぬことはもう忌わなかったにちがいない。けれど、大きな死にがいを持ちたかったことは疑いもないことであろう。
大きな死にがい。
歓んで死に得る戦い。
死のうとするさむらい達の望みはいまそれしか持ち得ない。またそれは人間の希望の最大なもので最後のものだ。どんなに熱望することであろうと思いやられる。だから古来の名将は、かならずその渇望をむなしくしない。いや、戦うまえに、その意義と正義を旗のうえに持たなければ、戦わないのが兵法である。
その点、長政の家臣は、やや張合いが小さかったろう。それもいただく大将の意志でぜひもないという、観念で臨むしかない最後となった。