Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
「いや、おもしろい。おもしろいものだ」
釜と談合の恰好である。ひとりで首を振っていた。そうしながら飽くまでも、うごくまいという算段を考えていた。
すると、どこかで、クツクツ笑うものがあった。時には、嬉々と、べつな忍び笑いも洩れる。
どっちの笑いかたも、明るくて無邪気だった。藤吉郎の耳が聞きのがすはずはなかった。――じっと顔を数奇屋の囲いのほうへ向けた。
「……ほら。ほらネ。あんなに似てるだろ」
「ほんに、お猿のような」
「どこのお人だろ」
「きっと、日吉のお使いさまでしょ」
ふたりの子どもの眼であった。
計らざりき――藤吉郎が釜の地紋に友愛を感じていると、その藤吉郎の顔をのぞいて、垣の外から興がっている幼い者たちがあった。
「……おッ?」
怒ったのではない。藤吉郎は歓喜に衝かれた。
長政とお市の方とのあいだにありと聞く四人の和子。――そのうちの万寿と茶々にちがいないと直感したからである。
にこ……と、藤吉郎はそこから笑みを送った。
すると。
垣のすきから覗いていた万寿と茶々は、
「あら。笑ってるよ」
と、ささやいて、もう一倍、ひくい声で、
「……お猿さんが笑った」