Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
――が、これは未然に敏くも信長の知るところとなって、当時、安藤伊賀の一味は、詫状を入れて、一応、すんだ問題になっている。
「――それを、十四年後の今日となって?」
と、人々は信長の余りに強い執念に今さら驚きと戦慄を抱かずにいられなかった。――どうしても宥せぬものならその時罰しられたらよいにと思った。いまようやく、天下の大半がその有に帰し、敵性の牙城大坂までが掌に入ったこの時に会して、何も、ふた昔も前の臣下の罪や過失を罰しなくてもよいであろうに――と、恐怖をとおり越して、臣はいささかその苛烈な追求に対して、うらめしい感じさえ抱いた。
わけて、蘭丸の心痛は、ひと通りではない。朝夕、信長の側にいて、信長の眉を見ているだけに、気が気ではない。
「……もし、母と鈴木重行とのことが、ちょっとでも、お耳にはいったら」
と、逸早く、母のいる安土へ向けて、弟の坊丸を使いにやり、また兄の森伝兵衛にも言伝けて、過去数年のあいだ、鈴木飛騨守重行と往復した手紙などは、一切、密かに焼き捨ててしまうように注意しておいた。
その坊丸が帰って来た。人目のないところで、蘭丸は、坊丸へたずねた。