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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「羽柴どのの家風というか、ここへ来ると、家中の誰もが、まことに気軽で、容態ぶらずに、世辞ぶらず、至ってみな明るい感じがする。――一家中というものは、こうありたいものだが、さてなかなかこう参らんものでな」

などと噂していた。

そこへ、黒く拭き磨いてある方丈の大廊下の方から、秀吉のすがたが見えた。後ろについて来る家臣たちも、置去りにするほど、彼の足の運びは、無造作で早かった。

「――やあ、御両所」

座に着かないうちからである。

ふたりの後ろからこういって、それから着席し、

「しばらく。御機嫌よう――」

は、手をつかえて、礼儀となってからの、ほんの形式だけの挨拶だった。

堀久太郎と、菅屋の二人は、ここでふと、信長のことばを思い出していた。――むかしの藤吉郎には非ざるぞ――と念を押されていることだった。

で、ここへ来ての挨拶にも、充分に心のなかで、その注意を構えていたのであるが、先方の秀吉自身が、いっこうむかしの藤吉郎と変りのない会釈なので、このつぎ穂が継がないように、二人とも、何かあわてて、

「やあ、これは」

といってみたり、また、

「その後は、おつつがもなく、大慶至極で――」