Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
家臣たちは事実もう明早暁の出発に、何かと荷梱をまとめているのに、訪客がたえないため、片づかないで困っているのだ。秀吉もそれを察して、あれも要らぬ、これも要らぬ、こよいはほんのお別れのごあいさつ、略服でよい、客ももうお断りしろなどと――湯殿から上がるなり衣服を着けながら云っていた。
すると、そのいいつけが、まだ表の者まで届かないうちであったため、いっていることばの下に、また取次が来て告げた。
「惟任日向守さまが、お越しになられました。ちょうど同日の参府、久しぶりに、お会いして帰りたいと、慇懃に仰せられて――」
「なに、日向どのが来た?」
秀吉は、何か偶然のような気もした。それと、登城のまぎわだし、折のわるいような気もした。けれど、取次へは、すぐこう云っていた。
「書院へお通し申せ。そして、しばしの間、御猶予とな」
その猶予は、これから髪を結い直すためだった。元結はかえなかったが笄や櫛をもって、ひとりで髪をなでつけていた。
「――馬に鞍をつけて、表へ曳いておけよ。間もなく登城するゆえ」
外に控えていた近臣たちへいいつけると、秀吉はその足で、客書院のほうへ廻った。