Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
降って、元寇の変に、相模太郎時宗をして、一剣護国の難にあたらせ、民ことごとくの憤怒が、筑紫の大捷となった時の如きは、それの最も歴然たるものだ。十万の元兵、数百の艨艟、すべてを日本に失ってから、さすがに懲々したか、その後は襲って来なくなった。……だが鎌倉以後、もし来られたら、あの大難以上な大難だったろうと思われる時代は、この国内にだいぶ続いた。たとえば、吉野の宮の時代、足利幕府の初期、つづいて応仁の乱、義満、義政などの無能な将軍の腐敗政治に委されていた時世などに……どうだ、想像してもみよ、もし元寇があったら」
「左様でございますな」
「幸いに、高麗も明も、元ほどな威を、彼もその時代は、持たなかったからいいが――それにせよ、室町幕府の腐敗ぶりがそのまま海外に露呈していたら何とも知れん。……それを、室町将軍の援護でもなく、また幕府の指令でもなく、ただこの国の民の意欲で、気ままに、存分に侵攻を防禦していたのは、汝らの仲間だった。汝ら、八幡船の力といってもいい」
「ははあ。そうですかな」
「いや、待った。その方どもの時代になっては、八幡船もすでに末期、和寇という名ばかり残って、恐らくその魂は失われていたろう。