Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
と、跡部大炊の子で、近習役の跡部源四郎が、顔のいろを変えて、何事か告げに来た。
逍遥軒は叱って、
「源四郎。ちと嗜みをもて。一大事などということは、さむらいが滅多に口にすべきではない」
と、いった。
若い近習に訓える意ばかりでなく、逍遥軒は、勝頼の愕きを宥めるためにもいわざるを得なかった。なぜならば日頃の剛毅にも似合わず勝頼がひどく顔色を変えたからである。
ところが、源四郎は、
「かりそめには申しません。真実一大事にございまする」
と、はや崖道を駈けて来て、橋のそばに平伏し、
「ただ今、御表へ、信濃高遠の仁科五郎様からの早打があり、木曾義昌殿、逆心の旨を、告げ参られました」
と、一息にいった。
「えっ、木曾が?」
と、愕として、疑いと、半ば、信じたくないような感情を声にして放ったのは、武田逍遥軒のほうであった。勝頼はすでに或る予感をもっていたのか、唇を噛んで、近習のすがたを見下ろしているのみだった。
逍遥軒は、容易にしずまらない胸の鼓動を、なお語気のふるえにみせながら、
「書状は。書状は」
と、早打が携えて来たはずの仁科五郎信盛の手簡を求めた。
源四郎は、答えて、