Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
た眼で見ているのだった。
で。その光秀からこよい、絵手本でもと乞われると、それこそこの人の晩節を完うする所以と考えられたのである。そして光秀自身も、ふかく自身のあぶな気に反省していることも分って、何せよ、それは早速にも、画いて上げねばなるまいと思われたことだった。
光秀は、その晩、快眠した。
一浴のおかげであった。また、思わぬ佳い客のお蔭であったと思う。
暁――
兵はもう暗いうちから起きて、馬には草飼い、身には甲い、そして腰兵糧までつけて、主人の出るのを待っていた。今朝、法養寺に勢揃いし、諏訪を立って、甲府に向う。そしてさらに、東海道を経て、安土へ凱旋という予定。
「殿。はやお身支度も」
「おう内蔵助か。ゆうべは、よう眠ったぞ」
「それはおよろしゅうございました」
「立ち際に、友松へ、志ばかりと申して、路用の手当なと遣すがよい」
「ところが、その友松どのは、今朝起きてみますと、もうおりませぬ。兵と共に起き出て、まだ夜も明けぬうち、一笠一杖の気軽さ、飄乎として立ち去ったものとみえまする」
「さても気がるな……」
と、光秀はつぶやきながら朝の空を見て、
「羨むべき境涯ではある」