Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
「何を仰せられます」
施薬院はその迂を嗤うように、
「もはや、ついそこの、尼ヶ崎まで来ていらっしゃいます。それも今朝ほどのことです」
「えッ……?」
「まだ御存じなかったので」
「先鋒ではないのか」
「おそらく先鋒の方がおくれたでしょう。筑前どの自身、紛れもなく着いております。途中の風雨も陸路船路も、ほとんど、不眠不休のおいそぎ方で」
「……そ、そうか」
語気やや紊れるのを、光秀は強いて沈着をよそおいながら、
「尼ヶ崎では面会いたしたか」
「余りに夥しい軍馬を見、わざと通り過ぎて参りました」
「兵数は」
「わかりませぬ。武家なれば目づもりでも知れましょうが」
「尼ヶ崎へは立ち寄らず、この下鳥羽のわが陣へ立ち寄ったのは、何か用向きがあってのことか」
「中国でお暇をいただく折、日向守に会うたら申し伝えよと、筑前どのからお言伝てを頼まれておりましたので――」
「筑前からこの光秀へ言伝てとな? ……。おもしろい。何と云いおったか」
光秀は異常な昂奮を抱いた。人をもって言伝てして来たことばといえ、まさにそれは、敵将の決戦状ともいえるものと思ったからである。
施薬院は、次のように、それを伝えた。