Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

「坂田郡の七条、鳥脇などを経て、伊吹の山裾へつきあたります。すると、北国街道が横たわっておりますが、これにならわず道を横ぎって、なおも伊吹の西麓へ登ってまいるのです。――その辺まででも、お城からおよそ六里はございましょう」

「くわしいな、汝は」

「三珠院にいた時分は、あの辺をよく飛びあるいたもので、いわば童時代の古戦場でございますから」

「うム、うム」

と、うなずき続けて――

「そこからまだ山奥か」

「なお六、七里、めったに里人も通わぬ道を参ります。姉川の上流梓川の水は、渓をせき淵をなし、道に沿うておりますが、どこまで行っても水源に到りません」

「待て待て。そう聞いても呑みこめぬ。明日の道案内に従いて来い」

「おやすいことですが、わたしよりももっとよい道案内がおりまする。それを迎えにお遣り遊ばしては」

「たれだ、それは」

「美濃衆の広瀬兵衛にござります。あの辺は美濃ざむらいの広瀬が領地の由を、三珠院でも申しておりましたが」

「いや、美濃へ使いをやっている暇はない。明日にも秀吉はそこへ参りたい。広瀬へは挨拶だけを遣っておこう」

「明日、何刻ごろお出ましになりますか」

「朝立てば、夕には、母にも妻にも会えようが」