Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、いや、ほんとだぞ」

秀吉は大真面目にいうのであった。

「ふたり限りで、この御堂の素莚に坐っておると、ふたりが祝言いたした清洲時代の――あの弓之衆長屋が思い出されるではないか。そなたの羞らう容子、また、良人を迎える心からな容子。すべてが、その頃の楽しさに返って来る。余りに馴れた夫婦というものは、時に二、三年ほどは別れてみるもよいものじゃ」

「それは殿方のお気持でございましょう。女房心はまた少しちがいまする」

「そうかな。……ふうム、どうちがう?」

そのとき本堂の袖部屋に、ざわざわと人のけはいがした。睦まじくはなしこんでいた夫婦はあいだを措いて向き直った。見れば一族近親の老幼たちであった。ともあれ殿様へ御挨拶をというので、各※(二の字点、1-2-22)、多少衣服を改めてこれへ拝しに来ているのだった。

「おう。誰も達者よな。誰も無事でおったの。よかったよかった」

秀吉はそれらの者一同へ、いちいちことばをかけて、息災を祝した。やがて、一浴の後、べつな室に夜食のしたくが調うと、それらのうちの主なる者も加えて、賑やかな内輪の晩飯をたべた。

一家の者は、この主を中心として、心ゆくまで団欒の夕を過した。