Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
「だからこの玄蕃も、いわぬことではなかったでしょう。討つなら討つと、初めから堂々と鼓を鳴らして、彼奴の宿所へ襲せかけるならば、今頃はもう二人のあいだに、秀吉の首級を置いて見ていられたものを。……それをば、叔父上が、やたらに、密かに密かにとばかり仰せられ、この玄蕃の策をお用いなさらなかったゆえ、こんな無駄骨に終ったのでござる」
「若い若い。そちは下策を取っていう。わしは計の上策を思うのじゃ。――最上の策は、秀吉の登城を待って、一室に監禁し、罪状を云いかぶせて、詰腹を切らせる。……これに如く良計はない。ところが、夜に入って、細作(密偵)どもの告ぐるを聞けば、秀吉は急に宿を引き払って、帰国する気配あり、夜立ちの動き見ゆ――とのことに、これはいかぬと思い直し、万一、彼奴が夜のうちに清洲を離るるがごとき場合あれば、むしろ天の与え、無断当地を離脱なさば、その罪を鳴らすにも名分の立つことと、急遽、そちに伏兵の策をさずけて、途中において、彼奴を撃てといいつけたのじゃ」
「それがそもそも、叔父上の手落ちでござる」
「なんで、わしの」
「あの猿めが、こちらの思うつぼにはいって、御祝事の今日、登城するだろうなどとお考えになっていたのが、不覚のひとつ。