Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
一浴
城下には着いたが、城中には入らない予定なので、秀家を輿から降ろし、忠家以下の岡山衆にも別れを告げた。
「ぜひとも、お先手について、御加勢申したいと望む者も少なくございませぬ。二千でも三千でもお召しつれ下さいませ」
忠家の好意にたいして、秀吉はあきらかに断った。
「かたじけないが後も大事だ。万一、毛利家に豹変あるときは、お汝らの力に俟つものが多い。ここの一塁は、毛利への抑えとして、筑前が恃みおくもの。呉々、抜からぬように」
種々策は授けたが、兵力は借らずに、ただ宇喜多家の旗だけを借りて去った。その後から、東へ東へと急ぐ軍馬は、ひッきりなしに城下を通過した。半日以上たっても、騎馬のいななきはなお断続していた。
一浴
六日夜は、沼城に泊まった。夜半ごろから暴風雨となった。すさまじい風雨の声をよそに、秀吉は深更まで、ここを守る宇喜多家の諸将へ、万一の場合の計を授けていた。
眠るも束の間しかない。秀吉は未明の頃から出立を発令して、残る人々へ、
「さらば」
と告げ、きのうは陣輿だったが、今朝は馬上で、風雨の中をもう真ッ先に急いでいた。
この日は七日、福岡の渡しまで来ると、河は出水に激している。