Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
「おいいつけの地方、隈なく巡りましたが、敵らしい者には会いません。けれど民家は相当騒いでおります。昨日の昼、明智の小部隊が通過して、当所のお味方の動静を訊きあるいた上、勝龍寺方面へ立ち去ったと申しおりました」
と復命した。
秀吉は直接二、三の要領をたずねた上、ひと休みして、早く兵糧をとっておけと犒らった。
程なくまた、
「ただ今立ち帰りました」
と、中村孫兵次、山内猪右衛門などの一小隊が復命に来た。これも昨日の昼から出てようやくいま帰った斥候部隊である。そして命ぜられた先も、渋川筋から洞ヶ嶺附近の地域なので、かなり深入りして来たことが察しられる。
「洞ヶ嶺にある筒井順慶を訪ねて参った光秀は、きのうお味方がこの尼ヶ崎に着いたと聞き知ると、にわかに下鳥羽へ立ち退いたということでござります」
孫兵次の齎らしたことは重大な情報といわなければならない。諸将は聞き耳たてた。秀吉の眼も急にらんとして輝きをおびた。
「して、筒井は?」
「依然、洞ヶ嶺にあります」
「光秀はそれに抑えの兵をのこしておるか、否か」
「斎藤利三の一軍を留めて去ったようです」
諸将は顔見合わせた。秀吉も黙然とうなずいた。