Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Lesen Sie 新潮記 (しんちょうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.541 Zeichen · 305 Bildschirme

Aozora Bunko

「つねづねと申すほどではございません」

「法華宗に凝って、宗門びろめに御熱中じゃそうな」宗兵衛は肩を揺りあげた、「それならばそれでよい、本枝の調停などという余計なことはお考えなさるにも及ばぬ、思いつきであれこれとあそばしても、肝心な事は動かしようがないものだ……以前は明敏なお方であった、義公さま以来のおいえがらにふさわしい、天下国家のために大事業をあそばす方に思われた、が今は……いや、人はなかなかむつかしいものじゃ、人間は、いつどのように変るかも知れぬものじゃ」

秀之進は黙って、聞くとも聞かぬともつかない平然とした態度で老人を見ていた。

「では藤田どのへ添書を書こう」

宗兵衛はそう云って立った。

老人が居間へはいって間もなく玄関へおとずれる人声がした。秀之進はすぐとっつきの部屋にいたので、応待のさまは手にとるように聞える……おとずれたのは三人らしい。とりつぎに出た若い家士に向って、ひどく訛りのある言葉つきで、しかもせきこんだ突っかかるような調子で主人に面会を求めた。

「此処でお眼にかかりたい、そう取次いで下さい、此処で、玄関ですぐにお眼にかかりたい、いそぐからと申上げて下さい」