Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
いつも、何だって、つっかえされてがっかりすることばかりですからね。一人でいると張合いがないのです。
自分で正しいと思う判断がまるきりつかない。自信がなくなると、人間はぼろくずのようになってしまう。はっきりと、これが恋だと思うような事をしたこともない。ただ、詩を書いている時だけが夢中の世界。
下宿住いと云うものは、人間を官吏型にしてしまう。びくびくと四囲をうかがう。大した人間にはなれない。月末には蒲団を干して、田舎から来た為替を取りに行く。たったそれだけで下宿の月日は過ぎて行くのでしょう。私のことじゃないのよ。ここにいる学生達の事なの……。ハイネ型もいなければ、チエホフ型もいない。ただ、自分を見失ってゆくくんれんを受けるだけ。
童話を書きあげて夜更け銭湯へ行く。
*
(十月×日)
宵あかり 宵の島々静かに眠る
海の底には魚の群落
ひそやかに語るひめごと
魚のささやき魚のやきもち。
遠いところから落日が見える
地の上は紙一重の夜の前ぶれ
人間は呻きながら眠っている
宵の島々 宵あかり
兵隊は故郷をはなれ
学生は故郷へかえる。
人ごとならずとささやきながら
人々は呻きながら生きる