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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

ケンチャンがその時なかなか面白いことを言ったに違いなかった。みんな元気に機嫌よく笑ったが、聞きつけないものには、何をいっているのか、あんまりな上声で、まるでわからなかった。すると、ナフキンをたたんでいた娘が、

「ライオンは多田さんという人がいるのよ、そりゃ面白いってっちゃないの、(よくって多田さん、それじゃこれ無代よ、無代よ)ってみんなが言うのよ」

それが、言う人には非常に興味ありげであった。そのとき黒い服を、ちゃんと身につけた給仕長らしい男が迎えに出た。そしてわたしは二階に導かれた。

表二階の食堂を通りぬけると、間の室は二階の給仕娘の控室であるらしかった。

裏階段のあるところで、四、五人が着物を着たり身づくろいをしていた。わたしは其処も通りぬけて、奥まった別室へ通された。

手はこびの暖炉がはこばれた、温いお茶もある、新聞もある、心地よい長椅子もある。しかし土曜の午後を楽しんで鶴見へ一緒にゆく事になっているちいさい甥が、学校でさぞ待っているであろうと思えば、心閑かにしている間が、おしい気がするのだった。室の隅には二枚折りの金屏に墨絵、その前には卓に鉢植の木瓜が一、二輪淡紅の蕾をやぶっていた。