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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

一体無頓着なのに、橘屋ときたら、そのころはしどい借金だったのですからね。厭きもあかれもしやあしないでしょうが、母親が承知しない。それゃ羽左衛門のおっかさんは実に好い人で、どっちでも向いていろという方を向いている人でしたけれど、お鯉さんの方のが承知しやあしません。もともと市村へやったのは、浮気をさせておいては、いつまでも止めないから、一度嫁にやってしまおう、そしたら、なんぼなんでも、いくら惚れてるからって、あの貧乏じゃお尻が落附くまい、かえって思いきらせるには好いからって魂胆で嫁ったんだって言いますものね。嘘じゃあないでしょうよ、なにしろ強かりしていますからね、養母っていう方が。――ええ、二人ありますとも、お母さんを二人しょってるのですから、あの女も大変ですよ。おまけにお母さん次第になるのだから」

売れっ妓のお鯉が、洗い髪のおつまが坐らなければならなかった市村の家の、長火鉢の前におさまった当時の様子が、お〆さんの言葉によって見える。おつまは失意の女として、三十間堀のある家の二階から、並木の柳の葉かげ越しに、お鯉が嫁入りの、十三荷の唐草の青いゆたんをかけた荷物を、見送っていたのだときいている。