Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんは働きだした。達者に書いた。長編小説でもなんでも書いた。選挙運動には銀座の街頭にたって、短冊を書いて売った。家庭には荒くれた男の人たちも多くいるし、廃娼したい妓たちも飛込んできた。そのなかで一ぱいに立ち働らきもする。かつての溜息は、栄耀の餅の皮だと悟りもした。
いつわらぬ心境を歌にきこうと、最近、以前のと近ごろとの歌を自選してくださいとおたのみしたらば、こんなのが来た。
筑紫のころ
われはここに神はいづこにましますや星のまたたきさびしき夜なり
和田津海の沖に火もゆる火の国にわれあり誰そや思はれ人は
われなくばわが世もあらじ人もあらじまして身をやく思ひもあらじ
その後
思ひきや月も流転のかげぞかしわがこし方に何をなげかむ
かへりおそきわれを待ちかね寝し子の枕辺におく小さき包
子らはまだ起きて待つやと生垣の間よりのぞく我家のあかり
子をもてば恋もなみだも忘れたれああ窓にさす小さなる月
ああけふも嬉しやかくて生の身のわがふみてたつ大地はめぐる
なんという落附いた境地だろう。この安心立命の地を、武子さんはどう眺めたろう。おおそういえば、※(「火+華」