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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

それを信じたモルガンは、アドレスを書いた封筒を沢山渡していった。

次の年、といっても、半年もたたぬうちにモルガンは来て、なんでも根引きするといいだした。それは、こんな噂さえ立ったほどだ。お雪の兄さんが、三条あたりに理髪店を出していて、その人が、外国人でもモルガンほどの人にやるならと、独断で、その封筒を失礼してモルガンを呼んだのだと――

ダイヤモンドの指環のお土産があろうとも、お雪は未来をかけて約束した人にそむく気にはなれなかった。

「外国人はいやだす。」

と、すげなく断わっても、

「そりゃお雪、つれなかろうぞ。」

などと怨みをいうのとは違う。お雪が煩さくなって、病気出養生と、東福寺の寺内のお寺へ隠れると、手を廻して居どころを突きとめ、友達の小林米謌という人を仲立ちに、両手でも持てないほどの大きな籠に果物や菓子を一ぱい入れて贈ってくる。花束は毎朝々々来る。

そんなこんなのうちに、見舞われたものが、見舞わなければならない羽目になったのは、あわれ米国青年が、恋病らいのブラブラ病いになってしまったのだ。

「僕は、この胡弓を抱いて死にます。」

古い都の、古い情緒を命とするお雪には、そうしたセンチメンタルが、いっち成功する。