Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
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矢代はせめてどこかで腰を降ろして休みたいと思い、通りをどこまでも真直ぐに歩いていってみたが、カフェーというカフェーは皆戸を降ろしていた。もうこんなにコーヒーさえ飲めないのかと思うと、彼は飲ます家のあるまで探したくなり、また、もうそれではこの千鶴子とも別れてしまい、二度と会うこともないのかと思うと、それならそのように覚悟を定めねばならぬと考えたが、しかし、それにしてもこの調子だと自分はもう何をするか分らない。もうこれだけはと思いつつ、あがき進む馬のように彼は自分の轡を噛み破ろうとするのだった。
セーヌ河を渡ったところにチュイレリイの宮殿の跡があった。矢代は篠懸の樹を下にめぐらせた城壁の上にのぼり、千鶴子と並んで河を見降ろした。この観台から真下のセーヌの両岸を眺めたとき、河そのものの石の側壁がすでに壮麗な一つの建築物だった。それはちょうど科学の粋を尽した白い戦艦が一望のもとに並び下ったかと見える堂堂たる景観だった。
「この眺めはどうです。ナポレオンの皇妃のジョセフィヌはここの宮殿にいたのですが、河がいかにも武装を整えた大兵団の守備兵のように見えますね。