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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

これこそ新しく生じて来た近代の愛国心というものだ。これこそ新しい心の対象となるべき精神だ。」

と久慈はむっくり起き上るように背を立てて矢代の方へ詰めよった。

「愛国心に古いも新しいもあるものか。あるからあるのだ。」

「あるからあるなんて愛国心は近代のものじゃない。これを変形して工夫を加えてこそ、世界の荒波が渡れるのだ。合理主義の近代に古典主義の愛国心じゃ、生れて来る青年は皆古典になっちまう。青年を古典にしちまったら、科学も死ねば、国も死ぬ。中国と日本の友好という外交一つさえ砕けてしまう。」

猛然とした久慈の攻撃にどうしたものか矢代は意外に小さな声で云った。

「自分の心の中に人間は一つは良い所があると思ってるものだよ。それさえあれば、誰でも世界のものは、皆こんな心になってくれれば良いと願う一点があるのだ。そこから愛国心が生れるので、そんなところがら生れて来る感情に近代も古代もないよ。」

「そこじゃないか。」と久慈はテーブルを叩いた。「そこのところに生じて来る心がてんでに誤りを冒すから、これこそ間違いを冒さぬという一点を索すのが合理的なんだ。その批評精神から愛国心が起ってこそ健全というべきだ。