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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

」

矢代のこんなことを云う途中に、もう千鶴子の顔は解け流れて来るようににこにことして聞いて来た。

「そんなこと――まア、あなたは何んて用心ぶかい方なんでしょう。あたし、本当に感心してしまったわ。でも、恐ろしい方だわあなたは。」

初めてあなたを知ったという風に千鶴子は暫くまた黙って考えていてから、

「あたし、とてもあなたのように考えられないわ。あたし、間違っていたと思えないんだけれど、でも、あなたがそんなに思ってらっしゃるのでしたら、あたし、何を云ったって駄目かもしれないわ。」

と、ふとまた矢代の云ったことを真実なことと気づき直した様子の千鶴子は、夢見るような伏目のままに、

「そんなことをいつも考えてらっしゃれば、あなたのようになるのね。でも、あたしはそんなこと、もっと簡単に考えていましてよ。そんなこと、いくら深く考えたって、それや駄目なことだとあたし思うの。ここで起ったり思ったりしたことは、あたし一番変らないと思うの。本当にそう思うわ。」

「それは、君はカソリックだからでしょう。そこが僕と違うのだなア。」

と矢代は初めてまた胸をついて来た新しい事実に内心びっくりして口走った。