Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

「とにかく、フランス語の教養がなけれやね。フランスへ行ったって面白くないさ。」

こう矢代に面と向って云った正直者の知人のいたのも彼は思い出した。そして、自分の外遊に関しては、定めし嘲笑の様子が見えぬ部面で起ったことだろうと想像もしたが、それが以後、いちいちそれに満足を与えるような結果となって来ている自分の胸中を、彼はどんな表情で示して良いか、苦しむのだった。

「僕は君らの一番いやがる人間になっているのだよ、もう訊いてくれたって駄目だよ。」

と実は彼はこんなに皆に云いたかった。しかし、こういう云い方など、もう自分を説明する何んの役にも立たぬと知り、彼は田村の盃に黙って酒を注ぐ歎きもまた感じた。

「僕はフランスにいたとき、日本に心酔してさんざ笑われたよ。どうも日本が好きになって困ったね。向うにいる日本のインテリは、日本の内地にいるインテリなんか、知識階級だとは全然思っちゃいないんだよ。よくしたもので、そう思われると、何んとなく自分も、自分を知識階級だと思わなくなるもんだね。」

田村は何か云いかけたが、眼鏡の底からただ細かく眼を光らせただけで黙っていた。ふと矢代は田村を見ると、彼の洋服姿がフランス語を習っている神官に見えて来た。