Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
よく分らないが。」
と塩野は言葉を濁し、明答を避ける風だった。
「そうかね、しかし、早くひき戻す工作を僕らでやろうじゃないか。枕木にも僕は頼んでおいたんだが。あれだけの人物を、いつまでもパリで腐らしとく手はないと思うんだ。」
「しかし、駄目だなア。」
塩野はそう云ってからまた由吉に対い、意味ありそうに笑いながら、
「それより、君の方が心配だが枕木の方は大丈夫か。」
「いや、あれはもう済んだ。」
由吉の薄笑いを洩して俯向いた顔色といい、枕木という奇怪な名といい、矢代は、さきからその名が出るごとに意味の深さを感じさせられていたときだったので、塩野もそれを感じたのであろう彼から、
「宇佐美はね、フランスの枕木王のお嬢さんにひどく好意を持たれたんですよ。ところが、そのお嬢さんには許婚の伯爵がいて、それが嫉妬やきなもんだから、見ていて面白いんだ。」
由吉が片手で「こらこら」と云って止めるのも介意わず、塩野は矢代に枕木の説明をそんなにして聞かせた。
「しかし、フランス人というものは、危窮に臨むとなかなか見上げたところがあると思ったね。僕はニューヨークで枕木がパリへ帰るというから、船まで送っていったんだよ。