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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、こんなに思っても、それならカソリックを悪いと思っている自分ではないと、矢代は思った。ただ自分の家に限っては、二人の結婚に邪魔になる危惧がある。その危惧を取り払う努力をするには、何か適当な他の力を藉りねばいられぬときが来そうな気持ちがした。そうして、その他の力とは、いったいどこからそれを探し出せば良いのだろう。実際、矢代はそんな千鶴子のカソリックを赦し、むしろそれを援ける平和な寛大な背後の力を欲しかった。しかし、それには仏教でも駄目だと思った。また神道でもなお悪かった。そうしてみると、日本の中にあるものでは、古神道以外に先ず矢代には一つも見つからなかった。このようにして矢代は暇を見てはだんだん古神道の書物を買い漁るようになるのだった。

目黒で千鶴子と会ってから二週間ほどたったある日、彼女から矢代に簡単な速達が来た。それには、塩野が駿河台の病院へ入院したので、明日見舞いに行きたいと思うから、あなたもそのとき来てほしいと書いてあった。とうとう来たかと矢代は思った。そのうちに君も入院するから気をつけるようにと、先日云って別れたばかりの直後だったので、およそ病因は彼に分っていながらも、冗談の当りすぎた気味悪さ以上、来るものの来た必然さに、長旅の愁いの常ならぬ辛苦を今さら矢代は考え直した。