Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
「僕はやはり科学の合目的性を信じるんですよ。世界の人間の一番共感出来ることといえば、いろいろな国の特殊性という変容したものの中から、普遍性を抽き出して、これを認め合うということよりないですからね。僕は神というものも、それよりもう感じることが出来なくなっているときなんだと思うんです。」
「君の苦心してやっているのは、音楽じゃなくって、音学という学ぶ方だね。」と由吉はそろそろまた冷やかし始めて笑った。
「それはそうだ。僕は音楽を勉強しにパリへいったんだよ。」
遊部は突嗟にそう答えたものの、しかし、どこか由吉の鋭利なひと突きには応えるものがあったと見え、びくっとした戸迷うものの薄笑いを洩して肉を食べた。
「勉強しに、パリへ行ったものはごろごろしているが、遊びに行ったのは僕と侯爵とたった二人か。これや、ちょっと気味が悪いね。侯爵、何んとか一言いいなさいよ。あなただってロンドンじゃそう道徳派でもなかったんだからなア。」
由吉は黙っている田辺侯爵の方を顧み、誰にも通じぬ笑顔でひとりからからと高く笑った。
「僕は道徳派さ。」と侯爵は一言云ったきりやはり黙って何も云わなかった。