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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ藤沢帰りの久木男爵から東野に電話がかかって来て、すぐこれから行くから待っていて貰いたいということだった。食事も半ばまで進んだとき、平尾男爵は、隣りにいる田辺侯爵に、

「どうだね、このごろ君の郷里の方の忙しさは。」と訊ねた。

「相変らずだ。」と答える侯爵は表面閑そうな声だったが、地もと県民の種種雑多な集りの会長を引受けている関係上、その仕事の多忙さは、産業や教育、工業や政治関係など、華族仲間の交際以外のことだけでも容易なことではないと矢代には分った。一見、閑そうに見えているものでも、どこかに必ず人知れぬ多忙さがあるものだが、それは、このごろの矢代のみならず、ここに集っている誰彼皆がそうだった。殊に侯爵は県民の育児と教育事業に熱心で、図書館の蔵書目録を充実させることには、直接の力を惜しまない風だった。全国でも侯爵の県下の図書の豊かさは、一般に鳴り響いていることだったが、育児事業の完備と育英奨励も、これまたともに有名だった。

「僕は船の中で東野君にもいろいろ話したんだが。」と男爵は侯爵の方にナイフを持ったまま傾いて云った。「田辺のように図書館を豊富にしたり、育英、育児に熱心になったりするのは、これは勿論大いに推賞すべきことだと思うんだが、僕は自分の研究の社会学をすすめていってみてだね、どうも、自分の郷里の県下