Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
そしたところが、この槙三という人は、数学が専門だものだから、専門的に話を聞かれたらしいのですよ。」
「そうだよ、そうだよ。専門的にあ奴は考えたのさ。」
と由吉はまた云って、この話の長びくことを揉み消した。
「しかし、専門的ならなお面白いじゃないか。それを一つ聞こうじゃないか。」と男爵は容易に後へ引こうとしなかった。
もうさきから、不愉快そうにいらいらしていた遊部は、冷笑を泛べた唇に脂肪をぎらぎらさせて、港の方から聞える汽笛の音に耳を傾けたり、這入ってくる外人の方を向いたりしていたが、侯爵邸のいつかの夜、矢代と論争めいたことになったときには、平尾男爵はその一座にはいなかったので、また五月蠅くなりそうな二人のことなど知らなかった。
「僕の大学時代の学友で、数学の専門家があったが、それがだんだん修業しているうちに、仙人になって来てね。断食なんか平気になったり、いつでも地獄や天国を見たり出来るようになった男があったよ。みそぎもよく一人でやっていたな。その男の云うことだと、断食なんて、何んでもないもんだそうだ。ただそれをやるときにだね、一大事をやるように人が思うが、そうするともう駄目だと云うのだ。