Japanische Klassiker mit Furigana
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にちにちへいあん
日日平安
山本 周五郎
Lesen Sie 日日平安 (にちにちへいあん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.297 Zeichen · 56 Bildschirme
「するとどうしろというんですか」
「私が云わなければならないでしょうか」
菅田平野は十郎太の顔を見た。同時に、菅田平野は頭の中で考えていた。
――おれはこの機会をものにしてやるぞ。
彼はゆき詰っていた。こんな放浪の苦しみはもうたくさんである、わずか一食の銭を得るために、切腹のまねをしなければならないところまで来てはどん詰りだ。ここはぜひともこの(単純そうな)男を城下へ伴れ戻して、ひと騒動おこして手柄をたてさせ、ついでにおれも仕官するという手だ。仮に仕官ができなくとも相当な礼金はくれるだろう、おれは絶対にこの蔓は放さないぞ、と考えるのであった。
「というと、つまり」と十郎太が云った、「――私に計画を実行しろというのですか」
「及ばずながら助勢しますよ」
十郎太はうなった。うなって、盃をぐっとあおって、そうかも知れないと思った。
「考えてみよう」と十郎太は云った、「――云われてみれば伯父の立場は危ない、日日平安などといって、足もとの崩れるのも知らずにいるんだから、それに、……千鳥だって考えてみればかわいそうだ」
「さっきも云われたようだが、その千鳥というのはどういう人ですか」